付録2-1・マンガの制作工程
※参考として掲載しますが、これからマンガを作る工程として一応目を通してください
●新時代のマンガ制作工程【簡略版】
■step1.企画(プランニング)

描きたいこと(テー、マ)、ページ
数、対象読者、自分の目標などを決
めます。特に読者をきちんとイメー
ジすることが大切です。その他、締
め切りも決めます。

■step2.発想(アイディア)

他の作品(映画やマンガ、ドラマな
ど)を観たり、自分の生活などから
刺激を受けて、作品を作るためのネ
タを考えます。そのまま刺激を受け
た作品のマネをすると盗作になるの
で、自分なりの考え方などに照らし
合わせて組み替えたりします。これ
は、ある意味、Step1より先に始め
てください。普段からおこなうこと
が重要です。

■step3.イメージを作る(クライマックス)

まず最初に、自分が描きたいこと
(テーマ)を具体的にします。短
編の場合これをクライマックスに
して作品を作ります。次にそれに
あったオープニングを考え、全体
を構成します。
描きたいことをハッキリ中心に描
くことで、読者の印象に残しやす
い作品を作っていきます。

■step4.ストーリーとキャラクター

次に、ストーリーを大まかにイメー
ジして、それに合わせてキャラク
ターを大まかに作っていきます。
マッチングが良ければ、キャラク
ターの細かい設定を作ります(どん
なキャラクターか、例えば名前や年
齢、職業や住まい、趣味など。自分
が描きたいストーリーに対して、必
要な性能を持つことを第一に考え
る。)。次に自分の描きたいことを
描くという方向と読者に読んで貰う
という部分のバランスを考え、ス
トーリーを具体的に作ります。初心
者はマンガを完結させることを第一
に考えましょう。
そのために自分の能力にあったス
トーリーとページ数を考えます。
キャラクターの設定もそのページ
数の中でまとまるものにします。

■step5.構成

構成は、作ったストーリーが決めた
ページにうまくバランスよく、また
ねらいどおりの演出で入るように、
それぞれのエピソードの調整をする
作業です。起・承・転・結を目安に
構成すると、バランスが取りやすい
です。


■補足.取材

ネームの先か、後にやるかは作家に
寄ってちがいますが、最近のマンガ
制作には取材が重要。背景写真はも
ちろんのこと、時代考証やキャラク
ターの設定を作るにも、いろいろな
取材が必要です。


■step6.ネーム

構成を見ながら、ノートなどにコマ
を割って完成をイメージ出来るラフなマンガを作ることをネームと言<br>「ます。これは、ノって描きましょ
う。マンガはノリが大切です。

■step7.下描き

構成を見ながら、ノートなどにコマ
を割って完成をイメージ出来るラフなマンガを作ることをネームと言<br>「ます。これは、ノって描きましょ
う。マンガはノリが大切です。

■step8.ペン入れ

ペン入れは人物から描いて行きましょ
う。最初はウマいヘタを気にするより、
丁寧に描きましょう。満足のいくペン
入れはなかなか出来ないと思いますが、
最後まで仕上げることをイメージして、
作業をすすめます。

■step9.仕上げ

ペン入れが終わったらベタ/ホワイ
ト入れ、スクリーントーンを貼りま
す。必要があれば、スクリーントーン
を削ったり、特殊効果を入れます。
ネームや絵の最終チェックを行なっ
て、原稿は完成です。

●従来の
 マンガ制作工程
step1.キャラクター

アイディアや話を導
き出すためにまず
キャラクターを作り
ます。
※昔のマンガなら、
作者のイメージだけ
でアイディアなどを
作ることが出来まし
たが、現在は、読者
が情報や知識をたく
さんもっているので、
それに対応したレベ
ルのものを作らな
くてはなりません。

・step2.ストーリー

アイディアや話を導
き出すためにまず
キャラクターを作り
ます。
※何を描きたいかと
いうことを一番に考
えなくてはなりませ
ん。自分が表現した
いもの以外は、それ
の引き立て役として
考えます。
キャラクターを先に
作り、ストーリーを
当てはめていくと、
制作が難しくなるこ
とが多いので、初心
者は最初にストー
リーを考えた方が良
いようです。

・step3.ネーム

アイディアやストー
リーをまとめ、ネー
ムにする。

・step4.下描き

ネームを見ながら、
原稿用紙に下描きを
入れていきます。状
況によっては、ペン
いれと交互におこな
います。

・step4.下描き

ネームを見ながら、
原稿用紙に下描きを
入れていきます。状
況によっては、ペン
いれと交互におこな
います。

・step4.下描き

ネームを見ながら、
原稿用紙に下描きを
入れていきます。状
況によっては、ペン
いれと交互におこな
います。
※下描きを入れ、ペ
ン入れし、完成まで
は従来と新しいマン
ガの描き方に差はほ
とんどないようです。
しかし、資料の作り
方や構図の取り方、
キャラの描き方は
日々進歩してると思
います。情報をこま
めにチェックしま
しょう。
また、新しい道具と
してコンピュータを
使い、トーンを貼っ
たりコンピュータな
らではの表現をおこ
ないます。

完   成    !


マンガ制作法にはいろいろ有りますが、このコースでは、新時代のマンガ制作法に準じて考えます。
マンガにはいろいろな要素を持つ代わりに、読者も一つに絞ることが出来ません。それは、読者の趣味や興味がいろいろなものに向けられているのがいちばんの原因です。描いた作品が『誰か』に読まれるのを待つような作品よりも、誰に読ませるのか自覚してから制作する方向を考えます。読者をハッキリイメージして制作する方向で考えます。
対象読者をきちんと意識すること、描きたいこと(テーマ)をはっきりさせることにより、明確な作品作りを目指します。
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